ふくしまの水三十選にも選ばれる、名水「強清水」。
かつては、白河と二本松を結ぶ滝沢峠の上にあり
清水湧き出るお休み処として親しまれてきました。
現在は、いわき市と新潟市を結ぶ国道49号線沿いに位置し、
保存食のスルメや身欠きニシンの天ぷら蕎麦が楽しめる
今も昔も変わらない、旅の疲れを癒すオアシスです。
♪ 恋の滝川 舟石越えて
親は諸白(もろはく)
エーマタ
子は清水(しみず) ♪
今号は、民謡 会津磐梯山でも歌われる伝説 をご紹介します♪
伝説 酒になった清水
昔、この地方で日照りが続いたことがあった。5月から8月までの100日の間、
一つぶの雨もふらず、猪苗代湖の水もかれて底が見えるほどだったと言う。
田畑の作物という作物は赤くかれてしまい、まいた種は芽を出さなかった。
そのころ、会津若松市の北方にある大久保山のふもとに、木こりの父と子が住んでいた。
父は与曽一、息子は与曽二と言った。
父親の与曽一は、それはそれはまじめな働き者で、
毎日山へ出かけては木を切りわずかなお金をかせいでいた。
それにくらべて、息子の与曽二はなまけ者で、いつも酒を飲み、賭け事に明けくれ、
あげくのはてには、野武士の仲間に入って、追いはぎまでするほどになってしまった。
父親の与曽一は、こんなときのためにと、少しではあるが、
食物をたくわえておいたので、死ぬようなことはなかった。
息子の与曽二は、村の人々は、だれも相手にしてくれず、食べ物も恵んでくれなかった。
与曽二は、腹がへって、やっと生きているようなありさまで、ねてばかりいた。
ある日の夕方、山から帰ってきた父親はいい機嫌であった。
赤い顔をして、お酒のにおいがしていた。
次の日の夕方も、その次の日の夕方も、父親はほろ酔い機嫌であった。
食べ物もないというのに、毎日のようにお酒を飲んで帰ってくる父親が、
きっとどこかに食べ物やお酒をかくしておいて、
自分ばかりたらふく食べたり飲んだりしているにちがいないと考えた。
そこで、与曽二は、父親がひとりでごちそうを食べているところを見つけて、
全部自分のものにしてやろうと思い後をつけた。
父親は、一日中せっせと働いた。お日様が西の空にかたむき、
まがったせなかに夕日を受けながら、帰り道についた。
とある木かげで足を止めた父親は、岩の間からあふれ出る清水を
そばの石に腰をかけて休みながら、何度も飲んだ。
すると、すぐにいい機嫌になって、歌さえ口ずさんでいるではないか。
与曽二は、その清水が酒の清水にちがいないと思った。
父親がその場を立つと、すぐに腹ばいになって、息もつかずに飲んだ。
しかし、いくら飲んでも、与曽二にはただの水でしかなかった。
急いで帰り、父親にそのことを問いつめてみたが、
与曽一は、ただ、ニコニコとしているだけだった。
その晩、与曽二は夢を見た。
白いへびのかんむりをかぶった神様があらわれてこういった。
「父親は、毎日一生懸命に働き、この大飢饉をなんとかして
乗り切ろうとしている。そのほうびに、諸白の清水にしてやったのだ。
それに比べて、おまえは、正しいことと悪いことのけじめもつかないような
生活をしている。これからは、体を清めて、今までの自分のやってきたことを
悔いあらため、神様に仕えるようにしなさい。
そうすれば、おまえにもきっといいことがあるだろう。
私は、弁財天であるぞ…。」
夢から覚めると、今までやってきた自分の罪のおそろしさに初めて気がついた。
夜が明けはじめたころ、起き出した父親の前に両手をついた息子は、心から詫びた。
その時、なぜか、与曽二の頭には、白いへびのかんむりをかぶった神様と、
あの岩の間からわき出る清水が浮かんだ。
それからというもの、生まれ変わったように働き出し、
村の人々のあいだで評判の人間になった。
やがて、与曽二は、岩清水のそばにお堂を作り、夢に出てきた弁財天を祀り、
自分はその堂の番人となって、残りの人生を送ったということである。
(惜しくも3月に閉店される千本蕎麦さんのむじな蕎麦)
雪のドライブに疲れたら、強清水の温かい田舎蕎麦が癒してくれますよ♪
もしかしたら、諸白の清水に出会えるかも!?
清水が誰でも汲めるように、地元のお店の方々が衛生を保ってくださっています。
空のボトルを準備して、立ち寄ってみてください♪
ところで、冒頭にも紹介した「千本蕎麦」さん。
なんと伺ったら、3月に閉店されるのだとか・・・(涙)
千本蕎麦さんは、粗挽きの田舎蕎麦で
ぼろっと切れる食感が、懐かしくて、温かい・・
そんなお店だったんです。
店内も、昔ながらの雰囲気を繋いでおられ、
旅情気分を盛り上げてくれる。
そんな心のこもった素敵なお店です。
>>>つづく
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旅行好きが転じて旅館に就職。あちこち飛び回っておもしろいことを日々発見中!喫茶店love女子。只今育児奮闘中。
くつろぎ宿 千代滝・新滝
くつろぎ宿は、会津東山温泉街に千代滝と新滝というおもむきの異なる2つの旅館を運営しています。
» くつろぎ宿 総合サイト
» 公式 Instagram
くつろぎ宿千代滝
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温泉郷を一望できる、高台に位置する千代滝
千代滝は、東山温泉郷を一望できる高台にあります。
館内には会津の地酒は常時30種類以上をご用意した、日本酒バー「地酒の館」もございますので、遅くまで地酒をお楽しみいただけます。
風呂は10階と2階の二か所にございます。
10階にある「遊月の湯」からは、会津城下町の夜景をはじめ、温泉街や温泉郷をご覧いただけます。天気の良い日には綺麗な星空が広がることも。
» 千代滝 ホームページ
くつろぎ宿新滝
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温泉街中心部、川沿いに位置する新滝
新滝は、東山温泉街中心部、川沿いにあります。
館内には、歴代の会津藩公の湯治場だった岩風呂をはじめ、戊辰戦争のときに土方歳三が刀傷を癒した猿の湯に由縁あるお風呂など、4種類の源泉かけ流しのお風呂がございます。
» 新滝 ホームページ